修学旅行

山形から 修学旅行の高校生が見学に来ました。

色々と話をさせてらって、
その後には カンナ掛け体験をしてもらいました。

数日前から「何を話そうか」と思っていました。
家具の説明とか 木の説明とか 細かい話をしても仕方ないだろうな、と。
数人だけなら それでもいいのですが、
全員が木工に興味がある訳でもないと思うので
何を話せばいいんだろうか と悩みました。

結局 なぜ家具屋をやっているのかについて 話しました。

学生時代の僕が家具メーカーの営業職を選んだ経緯や
それを経て独立した事、芸大の先生をやってみて思った事
そんな話です。
最後の方は 高校生の人生相談みたいな感じになりました(笑)
やっぱり そういう年頃で、
大学に行かなければ 社会人の第一歩を踏み出す訳です。

正直なところ これで良かったのかどうかは よく分かりません。
「修学旅行か。なんか責任重大な感じがするな。」と思った結果ですが、
誰か1人にでも 話した事が心に残ってくれるといいです。

修学旅行 学生

制服の集団が工房でカンナ掛けをしている風景は
笑ってしまいそうな感じがしました。
(顔がしっかり写ってしまっていたので こんな写真しか掲載しませんが)
楽しかったかどうかは分かりませんが、
真剣に取り組んでくれたので ホッとしました。

なんで僕の所なんだろうかとは思っていたので
「もっと大きな会社に行ったらどうですか?」とか聞いてみましたが
頑なだったので 僕の所に来ることになりました。

「家具が綺麗だから」と言ってくれていましたが、
僕が特殊な事をしていないのは伝わったのではないかと思います。
いちいち木を選んで きちんと削って仕上げている。それだけです。
ほとんど説明できる様な事はありません。

僕は 仕事がつまらないのは嫌なので
楽しくするために そうやっている部分もあるかもしれません。
つまらなくても良いなら 会社を辞めてまで始める事もなかった訳です。
仕事観みたいなものが 家具に表れているのだとすれば
それはそれで僕には嬉しく感じられます。

ただ それは個人工房だから出来る事でもあります。
誰もが楽しさを追求する会社なんて バラバラでやっていけませんから。
効率とか そういう事は 全て自分のさじ加減です。
残業とか休日出勤とか 僕のところには無いですからね そういう概念は。
お客さんのためでもあるけど 自分のためでもあると言うか。
自己満足が許されてしまう環境 という事です。
作家が云々 という話をしましたが、その辺にもつながるのかな と思います。
僕は自分の作ったものを作品とは呼んでいませんが、
お客さんの中には 作品と呼んでくれる人もいます。
商品とも言いたくないですが 作品と言うのもおこがましい気がするので、
自分で呼ぶ時には「家具」としています。
作っているものに自信がない訳ではないですが そういう事にしています。
将来は分かりませんよ。急に作品とか言い出すかもしれません。
たぶん無いですけど。
「製品について」という質問の答えがあんな感じだったのも
こんな気持ちがあるからです。
もっと言えば、制作と製作も 意味が違います。
もういいですかね(笑)
一生懸命に作れてさえいれば、名前なんか 何でも良いのかもしれません。

わざわざ個人工房を選んで僕のところに来てくれた訳なので、
伝えきれなかった事を ここに書いておく事にしました。
お伝えした事と合わせて いい記事が書ける事を願っています。

もうじき山形に着く頃でしょうかね。
良い旅行だったでしょうか。
何かしら良いお手伝いができていればいいですが、
至らないところも多々あったと思います。
貴重な時間を使って来てもらったのに すみませんでした。
もし次があるなら もう少し気の利いた事ができそうな気はします。

辺鄙なところまでお越しいただきまして ありがとうございました。
僕も勉強になりました。

Works - 店舗

前の記事

曲面キャビネット
Works

次の記事

尼崎市 下足箱