井上くん

福知山で家具作りを学んでいた頃、
隣の建築科で 大工を目指していた井上くん。

何度か 僕の工房に顔を出してくれて
僕も彼の現場を見てみたいと思っていました。
何年越しか分かりませんが ようやく機会に恵まれました。
僕らと違って 彼らの仕事場は変わり続ける訳で
いいタイミングじゃないと 見られない訳です。

とても彼らしい仕事でした。 
真っ直ぐで。優しくて。 
「こんな事 現場でできるの?」っていう
そういう事を 彼はやっていました。
板を接いだり 込み栓を打ったりはもちろん、
キッチンの引出しなんかも 精度良く作っていました。
最低限の道具で そこにあるだけのスペースで
何でもやっちゃう その感じが、カッコ良く思えました。  
彼の現場では 家具屋の出番は無さそうです。

大工なのに 塗装までやるそうです(笑)
塗らなくてもいい所だけど より良くなる気がして
彼が塗りたいから塗るそうです。
なんか「いいなぁ」と思って。

いわゆる残業な訳です。
勝手に残業。
そんなの昼にはできないから みんなが帰ってから。
誰も評価とかしてくれないかもしれないし
もちろん お金のためでもないし。
思い入れが出ちゃって 勝手に頑張る。みたいな。
ほんとは 当たり前の事だけど。
ダラダラいつまでも仕事をする事が良いとは思いませんが、
より良くするために 時間が必要だとするなら 
そういう勝手さを 認めてくれている監督さんも
きっと素敵なんだろうな とか思いました。
もっと言えば、お施主さんも おおらかな方なんだろうな。
いい雰囲気の現場でした。 

みんなが信頼しあっているのが 細部から伝わりました。
任せてもらえないと 頑張りきれない部分ってある様な気がしますし
力があっても発揮できない人もいるんだとは思うんですけど、
発揮する努力というのは とても大切です。
出来るけどやってないのは 出来ないのと同じです。 
そんな事を 改めて思いました。

いい家を見せてもらいました。
僕も負けてられません。
がんばっていこう!

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